llms.txtの設置は、10分で終わります。
当社(株式会社TAGIRU)は自社サイトにllms.txtを設置し、価格改定のたびに中身を更新しながら運用しています。この記事では、その実物をそのまま公開しながら、書き方と設置方法を手順どおりに解説します。「効果があるのか」という一番気になる部分も、誇張せずに正直に書きます。
読み終わったら、そのまま自社サイトに設置できる状態になるはずです。ここからその話をします。
llms.txtとは。AIに向けたサイトの案内板
llms.txtとは、ChatGPTやPerplexityのようなAI(大規模言語モデル)に向けて、「このサイトは何のサイトで、どこに何が書いてあるか」を1枚のテキストファイルで伝えるための仕様です。2024年に提案された比較的新しい取り組みで、サイトのルート直下(https://ドメイン名/llms.txt)に置きます。
人間の訪問者は、サイトのデザインやメニューを見て「この会社は何をやっているのか」を理解します。ところがAIは、HTMLの装飾やメニュー構造を人間ほどうまく読み取れるとは限りません。そこで、AIが読みやすいシンプルなMarkdown形式で「会社の概要・サービス・料金・主要ページ」をまとめて渡してしまおう、というのがllms.txtの考え方です。
似た名前のファイルとの違いを整理しておきます。
| ファイル | 読む相手 | 役割 |
|---|---|---|
| robots.txt | 検索エンジンやAIのクローラー | 「入っていい場所・だめな場所」を伝える交通整理 |
| sitemap.xml | 検索エンジン | 「ページの一覧」を機械的に渡す住所録 |
| llms.txt | AI(大規模言語モデル) | 「サイトの要約と重要ページ」を文章で渡す案内板 |
robots.txtが「立入禁止の札」、sitemap.xmlが「住所録」だとすると、llms.txtは受付に置いてある会社案内のパンフレットに近い存在です。
先に効果の話を正直にします
解説記事の多くは「AI検索時代の必須対策」とうたっていますが、当社は実装会社なので、ここは正確に書きます。
まず、OpenAIやGoogleが「llms.txtを利用している」と公式に明言した事実は、この記事の執筆時点で確認できていません。llms.txtを置いたからといって、ChatGPTが自社を紹介してくれる保証はどこにもない。これが前提です。
それでも当社が自社サイトに設置しているのは、次の3つの理由からです。
01 コストが小さすぎる
後述しますが、作成から設置までの作業は約10分です。効果が不確実でも、投じるものが10分なら、やらない理由のほうが見つかりません。広告や記事制作と違って、失敗しても失うものがほぼゼロです。
02 AIに答えてほしい内容を自分で決められる
AIが自社について語るとき、その材料はウェブ上の情報です。材料を用意しなければ、AIは断片的な情報から推測で答えます。サービス内容や料金のような「間違えてほしくない情報」を、こちらから読みやすい形で差し出しておくことには意味があります。
03 情報の棚卸しになる
これは副産物ですが、実際に書いてみると効きます。「自社を50行で説明しろ」と言われて手が止まるなら、サイト全体の情報整理にも同じ穴があるということです。当社の場合、llms.txtを書く過程で料金表記の不統一が見つかり、サイト側の修正につながりました。
まとめると、llms.txtは「必須」ではなく「10分で買える保険」です。過度な期待は不要ですが、AI経由の流入がこれから増えるならば、案内板を置いていないサイトより置いてあるサイトのほうが有利になる可能性は十分にあります。
逆に、向いていないケースも書いておきます。サービス内容や料金がサイト上にまだ整理されていない段階なら、llms.txtより先にサイト本体の情報整備が先です。案内板だけ立派でも、リンク先が空では意味がありません。また、料金改定のたびに更新する体制が取れない場合、古い情報をAIに渡し続けることになり、置かないほうがましという状態になり得ます。置くなら、更新まで含めて置く。これが条件です。
当社のllms.txtの実物と構成
当社のllms.txtは https://tagiru.co.jp/llms.txt で誰でも見られます。全体で約50行。構成は次の6ブロックです。
設計の考え方はシンプルで、「AIに間違えずに答えてほしい質問」から逆算しています。見込み客がAIに聞きそうなことは、突き詰めると3つしかありません。「何をやってくれる会社か」「いくらかかるか」「どこから問い合わせるのか」。この3つに対応するのが、サービス・料金の目安・主要ページの3ブロックです。
逆に、入れていないものもあります。全ページのURL一覧は入れていません。それはsitemap.xmlの仕事で、llms.txtに全部を書くと、かえって重要な情報が薄まるからです。パンフレットに全社員の名簿を載せないのと同じ理屈です。
llms.txtの書き方。5つの手順
01 素材を3つ集める
書き始める前に、「サービスの一覧」「料金(公開している範囲で)」「読んでほしい主要ページのURL(3〜5本)」の3つを手元に揃えます。既存のサイトからコピーしてくるだけで構いません。素材が揃っていれば、書く作業自体は5分です。
02 Markdown形式で書く
メモ帳やテキストエディタを開いて、次の型に流し込みます。1行目に「# サイト名」、その直後に「>」で始まる1〜2文の要約、あとは「## セクション名」で区切って項目を並べるだけです。
ファイル名は「llms.txt」、文字コードはUTF-8で保存します。ここだけ間違えると文字化けするので注意してください。
03 書いてはいけないものを外す
llms.txtは広告枠ではありません。「業界No.1」のような盛った表現、根拠を示せない数字、営業トークは入れないほうがいいと考えています。AIは複数の情報源を突き合わせるため、サイト上の他の記述と矛盾する誇張は、信頼を下げる方向に働きかねません。事実だけを、事実のとおりに書きます。
04 サーバーのルート直下にアップロードする
置き場所は「https://ドメイン名/llms.txt」で表示される場所、つまりサーバーの公開フォルダの一番上です。当社サイトはロリポップのレンタルサーバーなので、ロリポップの管理画面からFTP機能を開き、WordPressが入っているフォルダの直下(wp-adminやwp-contentと同じ階層)にアップロードしました。他のレンタルサーバーでも、FTPソフトか管理画面のファイルマネージャーで同じ場所に置けば完了です。
05 ブラウザで表示を確認する
最後に、ブラウザのアドレスバーに「https://自社ドメイン/llms.txt」を打ち込んで、書いた中身がそのまま表示されれば設置完了です。404エラーになる場合は、置いた階層が一段深いことがほとんどです。ここまでで、慣れていない方でも10分程度だと思います。
WordPressサイトでの注意点
WordPressの固定ページとして「llms.txt」というページを作る方法を紹介している記事もありますが、当社はおすすめしません。固定ページのURLは「/llms.txt/」のようにスラッシュ付きになったり、テーマのHTMLに包まれて出力されたりして、「ルート直下のプレーンなテキストファイル」という仕様から外れるためです。
生成プラグインを使う方法もありますが、プラグインが自動で吐き出す内容は「ページ一覧の羅列」になりがちで、肝心の「何の会社で、いくらか」が入らないことがあります。中身が主役のファイルなので、50行なら手で書いたほうが早くて確実、というのが実際に運用しての実感です。
もうひとつ、設置して終わりにしないことも大切です。当社は料金体系を見直した際に、llms.txtも同じタイミングで差し替えました。サイトとllms.txtで料金が食い違っていると、AIがどちらを答えるか制御できません。サイトの重要情報を変えたら、llms.txtも同じ日に更新する。運用ルールはこれだけで十分です。
設置後の確認方法。効果をどう見ているか
llms.txtの厄介なところは、置いたあとの効果を単体で切り出して計測する方法が、今のところ存在しないことです。Google Search ConsoleにAIチャット経由の流入という項目はありませんし、アクセス解析でも「ChatGPTで見て来ました」という訪問者は通常の流入に混ざってしまいます。ここを曖昧にしたまま「効果がありました」と言い切る情報は、疑ってかかったほうがいいと思います。
それでも、やれる観測はあります。当社が実際にやっているのは次の2つです。
01 AIに直接聞いて、回答を記録しておく
ChatGPTやPerplexityに「株式会社TAGIRUはどんな会社ですか」「TAGIRUの料金はいくらですか」と実際に聞き、返ってきた回答を日付付きで保存しています。定点で記録しておけば、AIの回答が自社の意図した内容に近づいているかを比較できますし、もし間違った料金を答えたら、その原因になっている古い情報を探して直しにいくという次の打ち手につながります。コツは質問セットを固定して、毎回同じ質問を投げることです。
02 検索の数字は「クエリの幅」で見る
llms.txtはAI向けの施策ですが、書く過程でサイトの情報整理が進むため、間接的に検索側にも影響します。当社はSearch Consoleで、順位ではなく「どれだけ多様な検索語で表示されたか」というクエリの幅を定点観測しています。個別KWの順位は記事数千本を持つ大手との体力勝負になりますが、クエリの幅はサイトの情報の充実に素直に反応するからです。
正直に書くと、当社でもllms.txtの効果はまだ計測の途中です。意味のある数字が出たら、盛らずに実測のまま、このコラムで公開する予定です。
よくある質問
llms.txtを設置すれば、ChatGPTで自社が紹介されるようになりますか
保証はありません。主要なAI提供元がllms.txtの利用を公式に明言した事実は、執筆時点で確認できていません。ただし作成と設置に約10分しかかからないため、AIに正確な情報を渡す準備として設置する価値はあると当社は考えており、自社サイトでも運用しています。
robots.txtやsitemap.xmlがあれば、llms.txtは不要ではないですか
役割が違います。robots.txtはクローラーに立ち入りの可否を伝えるもの、sitemap.xmlはページ一覧を機械的に渡すものです。llms.txtは「何のサイトで、サービスと料金は何か」をAIが読みやすい文章で渡すもので、他の2つでは代替できません。
llms.txtには何を書けばいいですか
1行目にサイト名、続けて1〜2文の要約、そのあとにサービス一覧・料金の目安・主要ページのリンク・会社概要をMarkdown形式で書きます。全ページの羅列は不要で、当社の実物は約50行です。誇張した表現や根拠のない数字は入れないことをおすすめします。
WordPressの固定ページでllms.txtを作ってもいいですか
おすすめしません。固定ページはURLがスラッシュ付きになるなど「ルート直下のプレーンなテキストファイル」という仕様から外れます。FTPやサーバーのファイルマネージャーで、ルート直下にテキストファイルとして直接アップロードするのが確実です。
llms.txtはどのくらいの頻度で更新すべきですか
料金やサービス内容など、サイトの重要情報を変更したときに同じタイミングで更新すれば十分です。サイトとllms.txtの内容が食い違うと、AIがどちらを答えるか制御できなくなるため、同時更新をルールにすることをおすすめします。
llms-full.txtとは何ですか
llms.txtの拡張版で、主要ページの本文まで含めた詳細版を別ファイルとして置くものです。情報量の多い技術ドキュメントサイトなどで使われています。中小企業のコーポレートサイトであれば、まずは約50行のllms.txtだけで十分と当社は考えており、当社サイトもllms.txtのみを設置しています。
最後にまとめます。llms.txtは、サイト名と要約・サービス・料金・主要ページをMarkdownで書いた約50行のテキストファイルを、サーバーのルート直下に置くだけです。効果の保証はありませんが、作業は10分で、自社情報の棚卸しという確実な副産物が付いてきます。AIが自社をどう説明するかを運任せにしたくないなら、今日置いておく。当社はそう判断して設置しています。
llms.txtの設置は自社で10分でできますが、「AIに自社がどう紹介されるか」はサイト全体の構造化データ・コンテンツ・情報の一貫性で決まります。株式会社TAGIRUでは、AI集客・AIO対策を含むAI活用の相談を無料で受け付けています。業務のどこにAIが効くかを30分で棚卸しするAI業務診断も無料です(NDA締結後・オンライン)。
